整形外科で診てもらっても、「異常はないですね」「原因はわかりません」といわれてしまったり。
電気を当てたり、マッサージなどの治療をいろいろしてみたもののいっこうに症状が改善せず、
「薬や湿布で様子を見てみましょう」「痛み止めを出しておきます」といわれたこともあるでしょう。
整形外科にかかって、着実によくなる疾患もあれば、なかなかよくならない症状もあります。
例えば、骨折や外傷などの疾患であれば、適切な手当てを受ければ、確実によくなっていくと思います。
しかし、慢性的な症状の場合はほとんどが「原因不明」とか、「異常ありません」といわれてしまったり、いくら治療にかよっても、なかなかよくならないというケースが少なからずあるのも事実です。
近年の研究によって、こうした慢性的な症状に対して、いままでとは別の観点から改善する視点が見つかったのです
その鍵となるものが、「ファシア」という組織です。
ファシアというのは、人体の中にあって、筋肉や内臓などを包んでいる立体的な網み目状の結合組織です。
みなさんが耳にしたことがあるかもしれない「筋膜」というものも、ファシアの一種です。
例えば・・・椎間板ヘルニアは、画像診断によって、椎間板が飛び出て・神経の圧迫などが認められれば原因が特定できる腰痛ですが、「画像診断と痛みが一致しないことがある」と言われています。
画像診断で、椎間板にひどいヘルニアがあっても、まったく痛みを感じない人もいるのです。
その一方、画像診断上まったくなんの問題もないのに、激痛に悩まされる人もいます。
慢性的な症状に関しては、腰痛に限らずほかの痛みも同じで、膝痛や肩の痛みも、画像診断と症状の不一致が見られます。
では、根本的な原因はいったいどこにあるのでしょうか?
肩こりや腰痛がある時に、そこに触ると硬く張ったような感触、「コリ」を感じることがありませんか?
コリは肩や腰の痛みのいわば発生源。悪い姿勢や運動不足、ストレスなどによって筋肉が緊張しすぎて、緩まなくなり「硬く伸びなくなった状態」がコリと言われます。これを専門的には「拘縮」と言います。
この「拘縮」に関わっているのがファシア、「筋膜」ということが研究でもわかってきているのです。
筋膜とは、英語で「Facia(ファシア)」と言います。
ファシアとは筋肉や骨、内臓など、体のあらゆる器官をつつみこみ、それぞれの器官をつなげている薄い膜のような組織のことを指します。
よく例えられるのは、とり肉のうす皮のような組織と言われています。
筋肉は1つの固まりのように思いがちですが、実は筋肉は細かな筋線維が何十万本と集まってできています。
その何十万本の1本1本に筋膜が入り込んで、1本1本の筋線維を包んでいます。
最初にも述べたように、ファシアとなると筋肉だけでなく内臓なども包み込みながら連続しており、全身の器官を包みこんで、つなげているので「第2の骨格」と言われています。
筋膜は、立体的な編み目状の結合組織です。
コラーゲンやエラスチンといった線維状のたんばく質と、「基質」と呼ばれる部分からなります。
基質は、たっぷり水を含んだ、ゼリー状の組織です。
ファシアがいい状態であれば、「適度の水分を含んで」おり、「やわらかく」「弾力性があり、伸び縮みします」。
また、筋膜には、感覚受容器があります。このため、痛みやこりなどを感じます。
この感覚受容器が電気信号を「脳」に送ることで日常生活で意識しなくても、立つ・座る・歩くなどの簡単な動作が可能になります。
ただ、筋膜の形は一定ではありません。さまざまな条件によって、例えば、悪い姿勢を続けるなどすると、状態が変化します。
状態が悪くなった筋膜は
「脱水」して、「かたくなり」、「弾力性を失い」、「すべらなくなります」
すべりが悪くなると、筋肉同士の動きも悪くなります。
さらに、隣り合っている筋膜同士や、筋膜と筋肉などがくっつき、ついには
「癒着(くっつく)したり」「しこりとなったり」「ひきつれたり」
するようになります。
また、筋膜の中には、感覚受容器がありますので、癒着によってよじれた筋膜に負荷がかかり
まわりのセンサーが反応すれば、痛みやコリを感じることがあるのです。
慢性的な症状に関して、最新の研究から、こうした筋膜の変性が原因として関わっているのではないかと考えられるようになってきました。
原因がはっきりわからなかったり、異常なしといわれてしまう痛みやこり、なんとなく体がだるい、疲れやすい、動きにくい、といった「なんとなくの不調」の背景にも、筋膜の不具合からきているかもしれません。
悪い姿勢や偏った動作を長く続けていると、体の一部に不必要な負担が加わります。
すると、姿勢も非対称になり、筋膜が自由に動けなくなります。
また、同じ動作を何度も繰り返したり、同じ姿勢を長時間続けたり、ケガが生じることで、ますます筋膜は自由度をなくしていきます。
筋膜の自由度がなくなると、どういうことが起きていくのかというと筋膜がよじれてしまい、筋外膜のコラーゲンとエラスチン線維が一部分に寄り集まってしまい、さらにその間の基質に存在する水もゼラチンのように粘性が増してしまいコラーゲン線維とエラスチン線維が自由に動かくなることで、筋膜のすべりが悪くなってしまうのです。
その他にも筋膜の機能異常を起こすようなことに以下のことが挙げられます。
体のコリや痛み・しびれなどの不快な症状の根本的な原因は、筋膜がねじれたり、くっついたりすることで生じる筋肉や骨の滑りの不具合にあります。
筋膜の問題が解消されないと、整体やマッサージなどで一時的に楽になってもまたすぐ元の状態に戻ってしまいます。
当院の施術では、筋膜へのアプローチをメインに行います。
筋膜を主とした結合組織のねじれを修復し、筋膜と筋肉、筋膜と骨などのくっつきをはがしていくことで全体を包む筋膜のバランスを本来の正しい状態へ導いていきます。
体の深い部分の筋膜は何層かに重なり合って体の深部の筋肉や骨や靭帯などを支えています。
また、重なり合っている筋肉の1つひとつがスムーズに動けるように、それぞれの筋肉を包んでいます。
これらの深い層の筋膜は伸縮性が少なくて変形しにくい反面、一度変形するとなかなか元に戻らないという性質もあります。
よって、深い部分の筋膜のねじれやくっつき(癒着)は深刻になりがちです。
そこで、深い部分の筋膜のくっつき(癒着)を優先してとり除く必要があるのです。
深い部分のアプローチにより、筋膜の滑りを良くし、
コリの硬い部分はほぐされていくことで血流は改善し、筋肉や関節はスムーズに動くようになります。
結果的に、【深い層へのアプローチ】や【関節がやわらかくなり、正しい筋肉が使える】ことで
良い刺激が脳を整えることで無意識に楽でスムーズな動きができるようになります。
筋膜へのアプローチによって、施術中や施術後に「ポカポカしてきた」「楽になった」「動きやすい」などの効果を実感される声も多く聞かれます。
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